2012年9月1日土曜日

ヘルシンキ

地下鉄ヘルシンキ中央駅

アラビア工場
マリメッコ


2012年のWorld Design Capitalはフィンランドのヘルシンキが開催国ということで、
街のいたるところで、アートや音楽ライブに大道芸が繰り広げられていました。












 僕が敬愛してやまないフィンランドを代表する建築家アルヴァ・アアルト(自然素材を近代建築へ巧みに取り入れ、温もりのある作風の20世紀を代表するモダニズム建築の巨匠。世界で最も美しい住宅の一つ、マイレア邸などが有名)が妻アイノ・アアルト(デザイナーでミラノ・トリエンナーレ展にて金賞を獲得したiittala社のグラスなどが有名)らとともに、1935年に設立したartek(アルテック)。コンセプトは、artek=art(芸術)とtechnology(技術)の融合。ロシア統治からの独立後の混乱の中で、祖国フィンランドをこよなく愛し、日本と同じく森林資源が豊富なこの国において、確かなフォルムと安定した品質で大量に供給できるようにした彼の木製家具は、70年以上を経た現代も世界中で愛用者が多いです。特に曲げ木の技術はアアルトレッグと呼ばれ、世界唯一の製法。そのフラッグショップであるここはアアルトの家具のみならず、ウェグナーやフリッツ・ハンセンなど北欧の一流デザインをセレクトした総合インテリアショップ。コムデギャルソンとのダブルネーム商品も1コーナー展開されていて、日本人として嬉しかったです。


 この日はおりしも、店内ではデザイン出版関係のパネリストが招かれて、トークショーが繰り広げられていました。華やかな雰囲気の中、シャンパンが飲み放題で、まさに天にも昇る気分でありました。ほろ酔い気分で、アアルトがデザインした照明器具を思わず購入してしまいました。



 戦後、不可能といわれた過酷な賠償金を支払い期限の半分強の6年間で支払い終え、その後、政治的にも外交的にも安定、ヘルシンキオリンピックを経て経済面でも急速な発展を遂げ、世界で最も生活水準の高い先進民主主義国、福祉国家のひとつとなったフィンランド。アアルトの自邸やアトリエ、「かもめ食堂」、ムーミンワールドやサンタクロース村なども行ってみたかったのですが、次回に夢を託して。ヘルシンキ市内では日本人の個人旅行者をたくさん見かけました。有色人種もたくさんいて、他の北欧都市と比べると僕らのようなマイノリティーも多少暮らし易いのかなという印象を受けました。ちなみに北欧4ヶ国の中で、唯一ユーロを通貨とする国です。