2011年7月1日金曜日

100年前の火の木

すぐ火のつく木であることから「火の木」が転じて「ヒノキ」(諸説有)

本日は樹齢100年以上のヒノキの森に、生活クラブさん主催の産地見学に行って参りました。


現在建て替え中の歌舞伎座に使うヒノキを出荷した名誉ある森は、意外にも我が工務店からほど近い神奈川県秦野市はヤビツ峠。舞台をはじめとする床板(7寸幅!)の為に、1300本のヒノキが選び切り出され、クローラでも行けない所の木はヘリコプターで1本1本運んだとのことです。さすが、建材からしてかぶいてますね。

 通常は1坪に1本の所を、ここ諸戸林業さんでは3〜4本植えます。密集状態で15年〜20年育て、優越がはっきりしたとこで間引きします。密植の為、木は真っすぐ伸び、非常に年輪の細かい目が詰まったヒノキとなります。光合成による炭素吸収量も樹齢10年目から急激に増え(それまでの4倍強)、20年目から段々と減っていくので、CO2削減にも効果的なんですね。虫害を避ける為、秋から冬にかけて山から切り出された間伐材は、4m強の長さに玉切りされます。写真のきこりの大将はネイティブアメリカンばりの大柄な人で、チェーンソーも軽々。丸太がサクサク切られて格好良かったです。

ちなみにここにはキャンプ場も併設され、その入口にはあのエアストリーム(銀色に光るキャンピングトレーラー)が受付キャビンとなっていて一瞬北米に来た様な錯覚に。場内には川が流れ、飲める湧き水まで豊富に出ています。山仕事の少ない夏にキャンプ場を運営するなんて堅実だなと感心しました。

1代目と2代目の社長は植えるのみで、伐採して出荷することは出来なかったとのこと。現在の社長は5代目ですが、奮闘しておられ、まさに世代を超えた取り組みで、頭が下がる思いです。荒れる森や海外に買収されていく山林が問題になっていますが、神奈川県も県産材を使った家づくりに補助金を出すようになったので、積極的に活用したいなと思いました。森を健康に保つことが、山と水の保全につながり、花粉も減り、温暖化防止にも役立ち、ひいては人間の健康にもつながるということを、改めて勉強させて頂きました。ありがとうございました。

この林業機械はフォワーダというんですね。この写真を見て、トミカ中毒(通称トミちゅう)のうちの息子が雄叫びをあげていました。ちなみに僕は立木の伐採、枝払い、測尺・玉切りにその集積までこなしてしまう、ハーベスタという機械を実際見てみたいです。イワフジ工業や住友建機も作っているのですが、下は、ケスラ社製の動画。すごい動き…

 
下はヘッド部分のみのHD動画。もはやプレデターですね…