2009年12月14日月曜日

土台


 特別注文の土台用の青森産ヒバです。北海道から東北地方に見られるヒノキアスナロという日本特産の樹種にあたり、能登地方で植林されているアテと同種ですが、同じくヒバと称されても、本州から九州にかけて見られるアスナロとは違います。常緑高木で、樹高は20〜30m。鱗状の葉の形がヒノキに似ていますが、大型なので、見分け易いです。輸入材の米ヒバとは別種で、建築材に使用されるのはヒノキアスナロ(または能登アテ)の方です。

 ヒバの特徴は、何と言っても虫や木材腐朽菌に強いことです。昔から「ヒバ普請の家には蚊が3年は寄り付かない」と言われ、特にシロアリに対する強さは他の樹種には見られないほどです。これは防蟻に有効な成分ヒノキチオールの含有量の多い為で、腐りにくく、耐水性があって湿気にも強く、強度もヒノキ同等で、素晴らしい土台となりそうです。

 特筆すべきは、その香り。刻んでいても薫ります。ヒノキの高貴な感じとまた違って、華やかな印象です。お施主様もタンスなどに入れられたいとのことで、カンナ屑までとってあるのですが、保管庫の扉を開けると何ともいい香りに包まれます。