2009年12月3日木曜日
基礎配筋
現在進んでいる新築工事現場から。設計仕様なのですが、上端筋と下端筋はD13が4本づつとなっており、通常より頑丈な作りとなっております。
基礎は文字通り、住まいの耐久性、耐震性を支える一番要な部分です。大きくわけて2つの役割があり、1つは建物の重量や建物に外から加わる力(風や地震)を、均等に地盤に伝えること。もう1つは、地面の湿気から建物から守ることです。
縄文時代は基礎がなく、「掘っ立て柱」といって、地面に穴を空け、そこに柱を突っ込んだだけのものでしたが、地中部分が腐り易く、建物の重みで沈んでしまいました。そこで、突き固められた地面の上に、束石となる幅の広い玉石を置いて、その上に柱や床束を立てるようになりました。現在でも古民家やお寺などで見ることが出来る、「独立基礎」と言われるものです。自然の形の石に巧く載るように、柱を細工した大工さんの仕事を見るのは個人的趣味でありますが、現在は鉄筋コンクリートによる基礎が一般的です。
では、なぜコンクリートに鉄筋を入れるのでしょう?これはコンクリートと鉄筋がそれぞれの弱点をお互いに補い合うことが出来るからです。地震時には、その揺れによって、構造体を圧縮する力と引張る力が交互に連続してかかります。コンクリートは圧縮の力に対しては強いのですが、引張りの力には弱く、限界を超えるとすぐに崩壊してしまいます。逆に鉄筋は、そのままだと圧縮されればすぐに折れてしまいますが、引張りの力に対しては強く、限界耐力 を超えた後もすぐには崩壊せず、伸びることで崩壊を遅らせます。また、大気に触れることで錆びる鉄筋をコンクリートは不動態膜で覆うことで錆びにくくし、熱に弱い鉄筋に対し、コンクリートは熱を伝えにくいという特性を持っています。
雨が大敵の基礎工事。そういえば、全国がお天気に一喜一憂した今年7月のの皆既日食は、私は基礎のアンカーボルトレベル調整中に厚い雲の間から見ました。(笑)