2011年1月21日金曜日

職場体験


 今年も愛川町の中学生が職場体験で3日間やってきました。大工は危険を伴う作業が多いので、毎年何をやってもらうか悩むのですが、今年は積極的な学生達だったので、初日は薪割りでノコギリに慣れてもらい、2日目からベンチを1人1つずつ製作してもらうことにしました。まずはヒノキの4寸角を裂いて接いで天板を作る作業。雇い実で接ぐ為の、墨付けからしてもらいました。初めての尺寸や指矩(さしがね)に少々戸惑いながらも一生懸命です。カンナ掛けもやりたいとのことで、気合い十分です。

3日目は昨日準備した材料を組み立てました。端金(はたがね)で一晩固定していた天板も、ボンドが固まりしっかり圧着されました。ただやはり目地に段差が出来てしまい、墨付けから穴あけ、一つ一つの精度が仕上がりに影響すると、身をもって学んでくれたようです。

 

最後はオイルフィニッシュで仕上げ、なかなかの出来映えに苦労の甲斐があったようで、みんな最終日に最高の笑顔を見せてくれました。僕が子供の頃より家庭環境も複雑で、大学卒でも就職難と言われるこの時代に生きる少年達に、物を作るというシンプルな喜びしか体験してもらうことができませんでしたが、いつか社会に出た時に今日この日の経験が少しでも役に立ってくれればなと思います。少年よ、クリエイティブであれ!