2010年5月22日土曜日

動物病院

2010年正月から刻み出した動物病院。工期が短く、タイトな現場でしたが、完成間近。お施主様のセンスで類い稀なるゴージャスな動物病院となりました。

階段から天井無垢板現しを見上げて。




ヤマハの豪華キッチンとお施主様が横浜で見つけてこられた鉄格子。



国産「松」太鼓梁が4本もかかる居住部分と、旦那様の夢が詰まった車庫。 太鼓梁は墨付けも刻みも、削りもすべてが手道具が物をいいます。上棟前に道路で3人がかりで仮組みして一安心。通常の2tトラックでは運べないので10tトラックをチャーターし、ちょうど職場体験で来ていた中学生も総動員で、上棟からダイナミックでありました。

全写真とスライドショーは「ピックアップギャラリー4」でどうぞ!

2010年5月20日木曜日

レンゾ・ピアノ

雑誌で面白い記事を読んだ。

日本でも関西国際空港旅客ターミナルやエルメス銀座店を設計したイタリアの建築家レンゾ・ピアノの建築事務所、レンゾ・ピアノ・ビルディング・ワークショップには、いちばん奥に本当にワークショップ(工房)があり、モデリスタと呼ばれる木工職人が働いているという。彼らはレンゾ・ピアノ本人やアソシエートアーキテクト(共同設計者)から出されたアイディアを、それが実現可能かどうか、実際に木を削りモデルをつくる。細かなところは自身の職人的経験に照らし合わせて、構造上、無理のないよう仕上げていく。出来上がったモデルを前に、設計スタッフはさらに検討を重ねる。関西国際空港の建築部品のおさまりも、こうして検証されていったそうだ。また建築模型のみならず、建築部品の原寸モデルも作るし、施工まで手掛ける場合もあるそうだ。

レンゾ・ピアノが建築の設計同様に、モデリスタの手仕事を信頼し重視するのは、先代からの建設業を受け継いだ父カルロとの建設現場体験に根差しているのかも知れない。技術を持つ手への尊敬の念。 「ピアノはすべてコンピューターで設計していると思ったって?彼が仕事を始めた1965年にはコンピューターなんてなかったさ。」と父の代からピアノ家と働いて来た老練のモデリスタは笑った。 ーLIVING DESIGN Vol.18より一部抜粋



ナショナル・ジオグラフィックで見たフェラーリの工場もすごかった。レンゾ・ピアノも風洞設備を設計したその工場は、エンジン製造にも新鮮な空気と湿度が必要不可欠として見事に緑化され、中央には小さい森まである。大規模な天窓からの自然採光も素晴らしい。市販車でもロボット化されてるのは僅かに鋳造、合金加工と塗装行程のみで、あとはすべて手作業。フェラーリレッドのつなぎを身にまとった職人達が、自分達は世界最高の車を作っているんだという、まさに誇りをもって、何百というパーツを一つ一つ組み上げていた。中でもシート縫製エリアで多くの女性が手縫いをしている光景は印象的で、スタッフのおばさんの1人が、「私、街でフェラーリを見かけると、『そのシート私が縫ったの!』と声をかけるのよ」と言っていたのが、微笑ましかった。完成した市販車は、レース車兼用のサーキットと工場外の山道で実走テストされ、合格した跳ね馬は2ヶ月待った顧客のもとへと届けられる。時速300km超、3千万円の走る芸術品。イタリアは美と職人気質が高い次元で融合している気がする。

日本も技術大国であったはずだ。ようやく住宅にもエコポイント制度が導入され、省エネの高品質建材が身近になってきた。自国の技術力に自信と誇りをもち、目先のものだけに囚われないようにしたい。そして、私たちは知恵を使って美しく、チャーミングに限りある資源をシェアできるようにならなければならないと強く思う。

2010年5月15日土曜日

ありがとうございました

およそ2ヶ月の工事も終わりを迎えようとしています。大工は毎日通うので、何ともいえない微かな寂しさを感じる瞬間でもあります。




春の訪れを感じながら始め、休憩時間にそのお庭に咲く満開の桜を眺め、その竹林からとれた大きなタケノコを賞味させて頂き、夕方からは帰宅されたお嬢様の優雅なピアノ演奏がBGMであったことは忘れられません。住みながらのリフォームは、お客様にとってもご苦労が多いこととは思うのですが、皆様本当に仲のいい明るいご家庭で、普段は黙々と作業する僕らも、朗らかに仕事することが出来ました。

我が子をあやして下さる旦那様
OK邸のご家族の皆様、本当にありがとうございました。


吹き抜けリフォーム②

耐震補強の為、追加した梁と既存の梁にもクロスが巻かれました。








 スポットライトを点灯しないでも、想像以上に明るくなりました。 

上部のサッシは既存のものですが、採光抜群!
 吹き抜け上部は手すりをつけました。3匹のワンちゃんがいるので、若干壁を立ち上げた上に、柵の間隔をすこし小さくして造作。ちなみにここの吹き抜け開口前の写真は4月29日の日記「フリースペースリフォーム」に。
お客様が探してこられたシーリングファンが花の様な有機的な造形で、最高にカッコいいので、しばらく眺めてしまいました。ライトのオンオフ、ファンの速度切り替えもリモコンで、1F部分からピッ!
 

階段リフォーム②

4月17日の日記「階段リフォーム①」のあと、柱にもクロスが貼られ引き締まった表情になりました。







既存と同じ高さ、段数で作ったのですが、どうも階段途中で頭が当たるのが気になり(旦那様は幼少の頃からだったので、慣れていらっしゃったようなのですが)、相談の上、2F床を少し切って上部空間を広くしました。





その為、2F廊下の階段背後の部分に、こんな三角コーナーが出現することとなったのですが、意外とチャーミングだったので、道具総動員で渾身の仕上げ造作をしました。(写真は完成前)気に入って下さればいいな…

2010年5月9日日曜日

ゴールデンウィーク

今年は子供の初節句ということもあり、少し長めのお休みを頂いて、後半は沖縄に行って来ました。到着早々、レンタカーのラジオが普天間基地問題のニュースのあと、本日から梅雨入りしましたとのこと。案の定、翌日はドシャ降りで、灰色の海を横目に「美ら海水族館」へ。皆さん考えることは一緒で、すごい人出でしたが、世界最大級の水槽は圧巻。ギネスにも認定されている厚さ60cmのアクリル水槽は、建築材料としても非常に興味をそそられるものでありました。